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インフルエンザワクチンは妊娠初期から後期まで全妊娠期間で推奨します。
妊娠中のワクチン接種は赤ちゃんへの影響も非常に不安だと思います。しかし、コロナウイルスに対する妊娠中のワクチン接種も議論され、最近は有効性が上回るため接種を世界中で推奨されています。同様にインフルエンザワクチンは10年以上前より世界中で妊婦さんには推奨されています。
2009年にアメリカでインフルエンザで死亡した人の5%が妊娠中であったという報告がありました。アメリカの妊婦の人口比率は1%なので、とても多いです。またインフルエンザに罹患することによって自然流産・早産・低出生体重児・胎児死亡が増加するというデータもあります。インフルエンザの予防にはワクチンが有効であり、これは妊婦でも同様です。また妊婦もしくは産後の褥婦にインフルエンザワクチンを接種することにより、生後6か月以内の新生児のインフルエンザ罹患率を低下させる報告があり、妊婦と赤ちゃんの双方に利益をもたらします。
日本のインフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、理論的に妊婦や胎児に影響はありません。ワクチン接種は最も有効なインフルエンザ重症化予防です。防腐剤としてエチル水銀が含有しているものと、含有していないものがありますが、0.005mg/mlと極少量であり、胎児の影響はないとされています。
インフルエンザにかかったら・・・妊娠初期にインフルエンザに罹患した場合に心奇形などの先天異常が増えるという報告がありますが、これは高熱による影響で、アセトアミノフェン等の解熱剤を用いることによってリスクは上昇しないという報告があります。また万が一インフルエンザに罹患した場合の抗インフルエンザ薬(タミフル・リレンザ・イナビル)は胎児異常を起こすことなく、症状発現後48時間以内の抗インフルエンザ薬投与は非常に有効です。
「アレルギー等もなければ、インフルエンザワクチンを推奨します」罹患しても重症化予防効果は高いです。当院では防腐剤を含有しないものを今年は使用しています。万が一罹患した場合も、早めの抗インフルエンザ薬(内服薬:タミフル)と解熱剤で当院では対症しています。また、インフルエンザ患者との濃厚接触者(家族等)には、自費になりますが抗インフルエンザ薬の予防内服も可能です(予防効果70~90%)。
神戸市は10月1日からワクチン接種開始しています。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなのでコロナワクチンとの同時接種も可能です。
日本のインフルエンザ患者数の推移は下記のように昨年は大変少なかったです。そのため、今年は断定は出来ませんが、流行の可能性があります。
南半球のオーストラリアでは2年間インフルエンザ流行はありませんでしたが、2022年は流行しコロナとの重複感染もありました。また2歳以下の子供はインフルエンザ流行の経験がないため重症化する可能性もあります。
厚生労働省も
コロナウイルスと同様のウイルス対策(マスク・手洗い等)を行いながら、医師に相談し出来る最善のことをしていきましょう。
院長 橋本