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母子手帳は約80年前から原型が作られ、ほぼ10年毎に大きな改定がされています。子供1人に1冊になるので、双子の妊娠の場合は2冊になります。私も子供が3人いるので母子手帳は3冊家にあり、予防接種などの時に時々使っています。母子手帳をもらうと妊娠している実感もわくと思います。以下は時々外来で聞かれることです。
母子手帳はいつもらえますか?・・母子保健法という法律で「妊娠したものは速やかに市町村町に妊娠の届け出をするようにしなければならない」「市町村は、妊娠の届け出をしたものに対して、母子健康手帳を交付しなければならない」とされています。つまり、妊娠が確定していればいつでももらうことが可能です。よくあるパターンは、月経が遅れて妊娠反応が陽性になり病院を受診し、超音波検査でしっかり子宮の中に妊娠を確認してから手続きをするということが多いと思います。自治体によっては妊娠届の提出が必要なこともあり、住民票がある区役所や役場に確認すれば安心です。
母子手帳の内容は?・・全国共通の内容の部分と、自治体独自の内容の部分があります。妊婦健診や赤ちゃんの健診、保健指導などの母子保健サービスや、子供の身長体重・予防接種の記録など多岐にわたり、胎児から小学校入学までの子供の成長記録です。重要な部分は全国共通なので、転居や急な妊娠中のかかりつけでない病院の受診の際にも、お腹の中もしくは産まれた赤ちゃんの身分証明書だと思って使用してください。
母子手帳の利点は・・先ほど書いたように、妊娠経過や出産経過、あるいは子供の発育の様子が医師や医療関係者が見ればすぐ分かるように統一されています。また、自治体によって多少違いはありますが、母子手帳交付と一緒に妊婦健診の受診券・補助券の交付を受けることができ、妊婦健診費用の助成を受けたり、様々な母子保健サービスの案内をしてもらえたりします。
経産婦さんは知っている内容でも、初めての妊娠の方は特に、自治体独自の様々なサポートがあるので、ぜひしっかり聞いて利用して下さい。
また、自分で書き込んだり写真を張ったりすることが出来るページがあったり、母子手帳には色々な工夫を自治体ごとに行っています。妊娠中に書き込んで、出産後に数年経ってから読み返せば面白いかもしれません。
母子手帳は全国の自治体で様々な工夫をしており、例えば当クリニックは神戸市なのでファミリアがデザインした母子手帳を見ることが多いですが、里帰り出産等で北海道から沖縄まで色々な母子手帳を見て非常に面白いです。
妊娠中はあっという間に過ぎ、産まれたらさらに赤ちゃんは成長していきます。余裕があれば、ぜひ少しでも母子手帳に今の様子を書き込んでみて、数年後に見返してみてください。
院長 橋本