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立ち会い分娩は30~40年前に欧米から入ってきて、今は全体の6割が夫の立ち会い分娩と言われるほど日本に根付いた分娩方法です。一番の目的は分娩するお母さんの精神的なサポートで、立ち会う人は夫や母親や姉妹等色々です。
大事なことはリラックスしてお産に向かいあえることです。一人で集中したい人もいますし、信頼できる夫や母親のサポートがあったほうがいい人もいます。血液を見ることが怖い方は、血が見えそうな時期には少し分娩室の外で待っていてもいいと思います。赤ちゃんが出る時は医師も助産師もそちらに集中するので、気づいたら夫が顔面蒼白で座り込んでいたということも時々あります。しかし、赤ちゃんが産まれた後にお母さんより感動して泣いている夫も非常に多いです。そして、それをみたお母さんが感動してまた泣いているという微笑ましい深夜の出来事もよくあります。
当院での話になりますが、2022年2月の現在はコロナ禍真っ只中であり、感染対策に苦慮しています。しかし、面会は制限していても立ち会い分娩だけは継続しています。一人では乗り越えにくい陣痛の辛さを夫婦や家族で乗り越えて、そこから子育てがスタートします。
陣痛の始まりを家で過ごし、一緒に散歩したり、ご飯を食べたり、背中をさすったり。病院で産まれる際の立ち会いだけでなく、そういったことも立ち合いと同じで共同作業になります。
もちろん、不安な点や分からないことは助産師や医師が教えてくれます。「腰をさすってあげて」「おにぎり食べさせてあげて」「団扇であおいであげて」ボーっとしてる暇はなく、忙しく色々していると出産になり、助産師含めて全員が達成感に満ちたゴールになります。
立ち合い分娩を特に夫とする予定もしくは希望する方は、分娩はすぐに産まれるわけではなく陣痛と向かい合う必要があるので、分娩する施設で教わる分娩の流れを一緒に勉強しておく方がいいと思います。お母さん等の分娩したことがある人は分娩の流れが分かるので、立ち会い分娩もスムーズなこと多いですが、夫は妻の痛み等に対応できないこともあります。
実際には横にいて手を握るだけ、話をしているだけでも充分です。仕事や都合で立ち会えない方も多いとは思いますが、可能であればぜひ「立ち会い分娩」を検討してみてください。
院長 橋本