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妊婦健診で「赤ちゃんが小さめですね」と言われて心配になることがあります。昔は超音波検査もなく、子宮底長(母子手帳にある妊婦健診でいつも測る子宮の縦の長さ)測定で推測していました。現在は妊婦健診で子宮底長測定を毎回行い異常があれば超音波検査で調べること、30週までに超音波検査で週数相当か確認することが推奨されています。ただ、肥満や子宮筋腫や子宮腺筋症等があれば子宮底長は胎児発育と相関しないこともよくあります。ほとんどの産科病院・クリニックはそうだと思いますが、当院では毎回超音波検査を妊婦健診で行っています。超音波検査で計測し胎児体重基準値で-1.5SD(おおまかに言うと同じ週数で比較して2週間くらいの遅れ。背の順で並んで100人中7番目以下)が目安になります。1回で診断せず、再検して成長を診ていくことも重要です。
原因
1 母体要因
2 胎盤と臍帯
3 胎児要因
赤ちゃんが小さいなと思ったら、産婦人科医は上記のようなことを考えながら、お母さん・胎盤と臍帯・赤ちゃんを診ていきます。個性であればしっかり小さいながらも成長していきますが、胎盤機能不全等の場合は成長がストップしてしまうこともあります。その場合は超音波検査で羊水量が減少したり、臍帯の血液の流れが悪くなったりするサインが出てくることが多いです。
赤ちゃんの成長が緩やかになってくると、お腹の中で赤ちゃんがしんどくなってくる可能性があります。しんどくなってくる前の元気な間に分娩してあげた方が良いです。正期産であれば分娩誘発や帝王切開も考えられます。小さな赤ちゃんの方が分娩時にしんどくなることが多いので、通常よりハイリスクな分娩になります。
染色体異常や先天性感染のような特殊な状況以外では、赤ちゃんは産まれた後は通常と同じでぐんぐん大きくなっていきます。小さな赤ちゃんも産まれてもいい時期(とくに正期産37週以降)であれば、お腹の中で大きくするよりも、分娩しておっぱい・ミルクで大きくしてあげた方がいいと思います。
「赤ちゃんが小さい」と言われたら妊婦健診の間隔が通常より短くなったり、色々な検査をしたりするかもしれませんが、原因検査のためです。へその緒の付着部位や捻じれは誰もどうすることも出来ません。お母さんの出来ることは、
上記を気にしながらしっかり主治医の先生と相談して、赤ちゃんがしんどくなる前に色々な対策をしていけばいいと思います。
院長 橋本