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お産が近づくと、急に大掃除を始めてしまう方がたくさんいらっしゃいます。これは良い環境の中に我が子を迎えたいという母性本能が働いた行動で、「巣作り本能」と呼ばれるものです。
臨月に入るとお産にむけてどんどん動いておなかを張らせたほうがいいので、四つ這いで床の拭き掃除をすることはとてもよいことです。骨盤内の赤ちゃんの回旋も良くなります。
大掃除とあわせて、育児する環境の準備もしておくと、退院後の育児をスムーズに始めることができます。
まずは、授乳の準備。授乳は1日10回ぐらい、赤ちゃんのお世話の中でも、最も時間を費やすものです。どこに座って授乳するかを考えておきましょう。昼間と夜だと場所が変わるので、どちらの場所も考えておきます。
もしソファーなら背中と背もたれの間に距離があったりするので、背中が丸まって猫背にならないよう、背中側に入れて使える大き目のクッションを用意しておくとよいです。授乳クッションがあると便利です。
椅子が高くて足が浮いてしまうなら、足が踏ん張れるように足台が必要でしょう。
足を組むのは、産後、骨盤がゆがんでしまうのでお勧めしません。
床に座る方はお尻が痛くないように座布団の準備や壁を背もたれにするときは背中に入れられるクッションがあると楽です。あぐらや、ぺたんこ座り、お姉さん座りは、骨盤によくないので避けましょう。
ぜひ、赤ちゃんが生まれる前に、授乳している姿を想像してみてください。
そのシミュレーションをもとに、助産師に授乳指導を受けるときに、退院後どこでどのような姿勢で授乳するか伝え、その場合の授乳の工夫や気を付けることがあるか、聞くとよいでしょう。
もし、入院中に余裕がないときは、産後の健診や新生児訪問(地域の保健師や助産師による家庭訪問)の際に尋ねるのもよいでしょう。
次に、赤ちゃんのいる生活の動線を考えます。退院後は、布団は敷きっぱなし又は疲れたらすぐに横になれる状態にしておきます。それをもとに物の配置を決めましょう。おむつやおしりふき、綿棒、体温計などよく使うものはひとまとめにして、お世話する人みんなが分かるようにしておきましょう。使用済みのおむつを捨てるバケツもどこに置いておくか、沐浴はどこで行い、着替えはどこでさせるか、なども考え、赤ちゃんのいる生活動線をイメージしておきましょう。
赤ちゃんを迎える環境準備を通して、ご家族に会話が生まれ、赤ちゃんが来る日をみんなで心待ちにできるといいですね。
助産師スタッフ