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36週以降になると週1回の検診になり、毎回内診を行っていきます。36週頃にはまだ子宮口は開いていませんが、38週頃にはほとんどの方で子宮口に指が通り、児頭を触れることが出来るようになります。
それでは内診とは産婦人科医や助産師が何をしているかと言うと、人差し指を腟内に挿入して子宮口を探し、子宮口がどのくらい開いているか、どのくらいの柔らかさか、赤ちゃんの頭がどのくらいの位置にいるか向きはどうかを確かめています。これで分娩の進行状況を内診によって評価します。
産婦人科以外の医師や、看護師はこの判断は出来ません。
そして分娩が進みそうか(子宮頸管の熟化)を評価する指標としては、次に示すBishopスコアが有名です。
それぞれ0〜3点で点数(満点:13点)をつけます。
0点 | 1点 | 2点 | 3点 | |
頸管開大度(cm) | 0 | 1〜2 | 3〜4 | 5〜6 |
展退度(%) | 0〜30 | 40〜50 | 60〜70 | 80〜 |
児頭の位置(Station) | -3 | -2 | -1〜0 | +1〜 |
頸管硬度 | 硬 | 中 | 軟 | |
子宮口の位置 | 後方 | 中央 | 前方 |
[Bishopスコア]
8点以上だと子宮頸管が充分に熟化しており分娩が成功する確率が高い、4点以下だと子宮頸管の熟化が不十分であり、なかなか分娩が進みにくいと判断します。医療介入(陣痛促進剤の使用や、帝王切開)の必要性を判断する際にも重要になってきます。
内診は主観的なもので、ある医師では2cmで軟という内診所見でも、同時に内診した助産師では1cmで中の硬さという内診所見になることもあります。判断がずれたりもしますが、基本的には経験によって「自然に進んできそう」「なかなか進まなさそう」等の判断を行っていくことになります。
ちなみに分娩時に助産師は左側、産婦人科医は右側に位置することが多いので、内診指は助産師は右手、産婦人科医は左手ですることが多いです。
院長 橋本